第4回「勉強会」報告(2011.7.7)
2011年7月7日(木)、本委員会が主催する第4回勉強会が開催されました。本勉強会は、本学のFD関連情報を 部局が相互に共有することで、大学全体としてのFDの進展を促すことを目的としています。
今回は、各部局の授業評価の現状と課題について各委員から報告があり、出席者間で情報共有をおこないました。(各部局の授業評価の用紙をダウンロードできます)
日時: | 2011年7月7日(木) 10:00-12:00 |
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場所: | 吉田南1号館共106室 |
『授業評価2011』事前アンケート全体集計版
- 問1 貴部局では,授業アンケートを実施していますか?
実施している 16部局 実施していない 1部局 - 問2 対象科目はどのように定められていますか?
全科目で実施している 11部局 希望する一部の科目で実施している 2部局 科目の分類に即して毎年実施科目を計画的に変えている 1部局 ある学年を定めて、その学年進行に応じて追跡実施している なし その他 2部局
・学部では、各系の系共通講義1科目、大学院では、各系の大学院科目1科目について実施している。
・学年を定めて実施。(M2,D3)- 問3 1つの授業について,実施回数は何回(学期ごと)ですか?
1回 13部局 2回以上 3部局 毎回 なし - 問4 貴部局での授業評価の活用状況はどうなっていますか?
組織的な授業の改善に使っている 8部局 各教員の自主性に任せている 7部局 十分には利用されていない 1部局 - 問5 問4で 1. に○をされた方にお聞きします。どのように活用されていますか?
(複数回答可) 結果に基づいて,学内の授業報告会などを開催している 4部局 授業評価結果を参照しながら学部長やFD・教務関係の委員長との面接を行う 1部局 教員に,授業を振り返る文章を記載してもらっている 2部局 センターなどを設置して授業のコンサルテーション・システムを導入している なし その他 ・授業アンケートの集計および分析結果を研究科・学部ホームページに掲載し、今後の授業改善のために役立てている。
・教務委員会などで必要に応じ検討される。
・すべての科目の集計結果(科目・設問ごとの平均値と標準偏差)とすべての自由記述を全教員に公開し、自身の授業改善の参考としてもらっている。
・学生からの評価の高かった授業の聴講を、授業を担当している全教員が行い、各教員の授業改善に利用してもらっている。
・結果集計直後の授業において、学生に応答することにしている。また、集計結果および経年的な分析結果をもとにFD会議で意見交換するとともに、年2回開催している意見交換会においても意見交換・情報交換するなど、継続的に授業内容について検討し、改善策を講じている。
・ベスト・ティーチャー賞授与。- 問6 貴部局での「授業評価」に関わる課題として,どのようなものがあると思われますか?
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■学部・研究科における教育が、専修単位での少人数教育を基本としているという理由もあって、定期的・組織的な授業評価がおこなわれるようになったのは比較的遅かった。だが現在では、授業アンケートの集計および分析結果を部局として共有し、今後の教育のために活用することが可能になっている。学部の教育の特質を生かしつつ、授業評価の取り組みをさらに進めてゆくことが、今後の課題であると思われる。
■学部・研究科にあった評価とは何かを問う「評価の哲学」を構築する必要性。
自己点検/授業評価などを,教員の成長,カリキュラム,組織の改善に結びつける組織的取り組み。
授業評価の実施と分析,およびとりまとめに多大な労力が必要。
学生を交えての討論の機会を設ける。■授業アンケートは、授業内容や進め方についての意見聴取を主体として実施されているが、実際に学生に接していると、(良し悪しは別として)学生の関心はもっぱら成績評価方法の如何に偏っていることが多い。
■大学院では、授業アンケート以外に、成績分布データの開示や試験結果の講評を行っている。学部学生についてもこうした措置をどこまで徹底して講ずるか、考慮がありうる。
■2009年には、授業評価を受けて、教員から学生へのフィードバック資料を公表する、といった活動も実施し、積極的な活用をおこなった。 ただ、活用の仕方が基本方針として定まっているわけではなく、意義が必ずしも明確ではない。
実施方法をウェブ方式に変更したが、回収率が低下し、データとしての信頼性に問題がある。 学部に続いて、大学院でも授業評価を開始したが、学部以上にその活用の仕方、意義について、明確ではない。■研究科の基本方針は、cost performance重視,つまり(普通の日本語では「手を掛けない」)ということで、各先生に活用を任している。これまで3回行って、個人的感想ではずいぶん改善したとは思うが、もう少し効率的な活用方法があるなら導入したい。
■評価する期間が前期・後期の各講義期間の終了後に固定されており、1回毎の講義の評価には繋げにくい(学生は思いだすのに苦労をする。包括的な評価には適するが、個別具体的な評価には適さない。)
■教員の教育改善に役に立っているか?学生が教育改善効果を実感、理解しているか?
■アンケートに基づく講義の改善の効果を見るために、継続的な実施が重要と考えている。
■授業評価の結果を組織的なFDに結びつける。
選択回答の設問に対する結果が毎回だいたい同じになって、「刺激」がない(改善へのモチベーションにならない)。
ルーティンにならず、もっと学生から建設的な意見を引き出す。■アンケート結果の授業への反映のさせ方(現在は各教員に任せており、特に問題があるわけではないが、より効率のよい方法を検討したい)。
■授業評価の活用は、一部を除き全体としては、教員の自主的なフィードバックに任されており、活用の程度にばらつきが大きい。
■相対的に満足度が高い現状で、今後どういう方向に発展していく必要があるのか課題が見えない。一方で、教務マターとしては、受験者減が大きな課題であり、FD活動への関心の低下がある。
■個々の授業科目に関するアンケートだけでなく、修士課程修了時に部局教育全体についてのアンケートを実施している。また、その結果は会議で報告される。それによって、カリキュラム全体の評価も可能となっているように思う。特に、文理融合や長期インターン研修や英語授業、夏期野外実習など、本部局が特色としている教育プログラムのありかたを検討する材料を提供することが可能となっている。
■非常勤講師による開講科目が多いが、非常勤講師はFD会議には出席しないため、検討結果のみを文書で配布し対応をお願いしているが、周知徹底できているかどうかについて検証することが困難である。
■授業評価の項目について2010年度に見直しを行ったが、教育目標との関係で授業評価の項目の見直しを今後どうすすめていくかがが第1の課題である。
第2の課題は、授業評価は本来、シラバスや授業目標の達成度を位置づけるべきで、学生の満足度評価のみですすめるべきではなく、そのような授業評価を設計していくことである。
第3に、授業評価のフィードバックを個々の授業のみならず、カリキュラム全体の改革にどうつなげていくかが課題である。
各部局の授業評価用紙
- 文学部
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 91KB)
- 法学部
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 55KB)
- 経済学部・経済学研究科
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 140KB)
- 理学部
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 152KB)
- 薬学部
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 52KB)
- 農学部
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 524KB)
- 文学研究科
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 63KB)
- エネルギー科学研究科
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 507KB)
- 情報学研究科
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 574KB)
- 医学研究科社会健康医学系専攻
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 1164KB)
- 生命科学研究科
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 77KB)
- 法科大学院
- (資料ダウンロード:授業評価用紙(PDF 675KB)