委員長挨拶

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京都大学FD研究検討委員会は、大学設置基準による大学の組織的FDの義務化に先駆け、2007年2月に発足し、これまで歴代の教育担当理事・理事補、先代2名の委員長、多くの委員の先生がたや関係者の皆さまのご努力に支えられながら、本学のファカルティ・ディベロップメントや教育改善の取り組みを先導してきました。現在、本委員会には、「FD情報の共有」(WG1)と「部局連携の企画」(WG2)の2つのワーキンググループが設置され、学務部教務企画課の支援を得て運営が進められています。

本委員会の活動は、新任教員教育セミナー、大学院生・ポスドクのための教育実践講座(プレFD)、勉強会、公開授業・検討会など多岐にわたり、また本委員会のHPを通じ、これらの活動やFDに関する情報について、広く学内外への周知と報告に努めています。さらに、年一回発行される「京都大学のFD」には、本委員会の活動や学内におけるFDや教育改善に関連する各種イベントの案内・報告、各部局におけるFDや授業評価の実践報告などが掲載され、学内の取り組みを一覧することができます(PDF版はこちらからダウンロード可)。

多くの日本の大学が、少子化、財政逼迫、専門的人材不足、大学教育のグローバル化などに喘ぐ中、本学においても多種多様なFDや教育改善の課題に、個々の部局や教職員が単独で対応していけることには、自ずと限界があります。そのような中で、「先進的なFDや教育改善に関する知見・ノウハウ・情報の共有」や「全学・部局間連携を通じた効果的なFDや教育改善の取組」の推進をミッションとした本委員会の存在意義は、ますます大きくなっています。

様々な側面における大学教育力の強化や教育制度改革等の取組も、学科・学部・大学院・全学など様々なレベルにおいて喫緊の課題となっている昨今ですが、そのような中で、これからのFDは、これまでの一次元的・線的なFDを延長していくだけでは不十分であり、教職協働さらには学生をも巻き込んだ教育改革・教育改善プロジェクトを通した、面的あるいは立体的展開が必要と考えられます。

この度、本委員会の委員長を務めさせていただくにあたり、全学の皆さまの叡智とご努力によって、研究型大学として世界に名を馳せる京都大学が、日本国内のみならず世界に誇れる素晴らしい教育により磨きをかけ、学生はもとより教職員も人材として大きく成長し続けられるように尽力して参りたい所存です。本学の教職員の皆さまから様々なご意見やアイデアをお寄せいただき、また学内の教育関連イベント・活動等に積極的にご参加いただくことが、本委員会の取り組みを充実させ、本学の教育研究のより一層の発展へ寄与することに繋がると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

京都大学FD研究検討委員会委員長                
京都大学高等教育研究開発推進センター長 飯吉 透