新任教員教育セミナー(2021.9.22開催)

テーマ6 "Internationalization of Japanese higher education and Kyoto University's endeavors"

  • 事例紹介:高山 敬太 教授(教育学研究科)
  • ファシリテータ:佐藤 万知 准教授(高等教育研究開発推進センター)

 高等教育の国際化に対する京都大学の取り組みをテーマにした本セッションには、9名の新任教員が参加をされました。英語によるセッションを提供するのは、今回が初めてのことになります。そのため、高等教育の国際化をテーマにしつつ、参加者のネットワーク形成を支援することを主な目的としました。
 まず、高山先生よりDiscussion startersとして、次のような問いかけがなされました。
・How did you end up working at Kyoto U?
・What have you noticed about Kyoto U that is rather “different” from your previous institution(s) either in Japan or abroad?
・What challenges have you encountered as an international scholar in your department and what supports are needed to address them?
各参加者は、これらの問いかけに答える形で自己紹介と自分の経験や考えを共有し、その後はディスカッション形式で進められました。
 話題は大きく教育活動、研究活動についてなされました。教育活動については、京都大学の学生のレベルの高さが共有された上で、いかにして学生が創造的な活動や研究に取り組むように仕向けて行くことができるのか、という点について議論されました。特に、参加者の多くは議論を通じた探求を重視していましたが、授業中の活発な議論をファシリテートすることの難しいことが指摘されました。これに対し、授業における余白をどうつくり、議論にならずとも学生個人が自分の頭の中で思考できるようなスペースをつくることで解決を図ろうとする考え方が共有されました。また、第1部の杉原先生による講演内容を受けて、外国人教員として学生のメンタルヘルスに関する課題についてなにかできることはないか、という議論もされました。これについては、外国人教員に対してだからこそ自己開示できる日本人学生の特徴についての指摘があり、声がけをしていくことの重要性が共有されました。
 研究活動については、共同研究者を探すことが困難であることや、研究のアプローチの違いなどが議論されました。特に研究者同士がもっと自由に話をする環境を構築していく必要性が共有されました。
 日本の高等教育国際化政策や京都大学の具体的な戦略についてまで触れることはできませんでしたが、個々の経験をベースに外国人教員の感じている課題や解決方法について議論できたことは有意義であったと考えられます。