新任教員教育セミナー(2019.9.13開催)

テーマ5「ICTを使って、普段の授業をもっと楽しく、ちょっと楽に」

  • 事例紹介:田口 真奈/酒井 博之 准教授(高等教育研究開発推進センター)・梶田 将司 教授(情報環境機構)
  • ファシリテータ:安宅 純子 特定研究員(高等教育研究開発推進センター)

 今年度の本セッションには13名が参加され、まず2人1組で自己紹介をし、その後全員へ向けて他己紹介するところからスタートしました。「京都大学の充実したICTツールを活かしたい」「これから授業を担当していくにあたって、使えるツールを増やしておきたい」「反転授業や学生への発信方法を知りたい」「“ちょっと楽に”という言葉に惹かれた」など様々な動機を持って参加されており、専門分野や経験年数を超えた教員同士の交流の場にもなりました。
 本セッションでは3名の先生方から京都大学のICTを活用した教育プロジェクトをご紹介いただきました。まず、梶田教授より京都大学で導入されている学習管理システム「PandA」について、各ツールの機能を実際の講義で使用されている具体例を見ながらご説明いただきました。授業資料のアップロードや課題提出、簡単なビデオ録画や学生とのやり取りができるフォーラム、メンタリングアワーの予約ができるサインアップツールなど、“今やっていることを変えない範囲でちょっと楽になる”アイディアを沢山得ることができました。
 次に、酒井准教授より京都大学から配信されているオンライン講義「KyotoUx」と「KoALA」について、実際のサイトを見ながら講義の構成や制作の流れ、さらに反転授業や補足授業としての実践例などもご紹介いただきました。オンライン講義ならではのメリットとして、復習したい箇所の動画を繰り返し見ることができたり、好きな時間に自分のペースで課題に取り組むことができるなど、学生にも大変好評で、最初はハードルが高いと感じるかもしれないが、一度制作した先生方は二度三度と利用されている方が少なくないとのことでした。
 また、田口准教授からは「京都大学オープンコースウェア(OCW)」やICT活用教育のためのポータルサイト「CONNECT」についてご紹介いただきました。OCWでは、全講義のシラバスを見ることができ、京都大学の実際の講義を見ることができるので、高校生や一般の方など学内外で幅広く利用されています。CONNECTでは、他の先生方のICT活用事例が数多く掲載されており、反転授業やニコ動的講義など、学生とのインタラクションを活性化する様々なアイディアを得ることができました。
 その後のグループ・ディスカッションでは、これらのシステムに関する質疑応答や各自がどのように活用していきたいかという活発な意見交換が行われました。学内の講義への活用はもちろん、入学予定者や産学連携など学外に向けても発信ができるということで、今後の研究・教育に役立つ情報を参加者それぞれが得ることができ、大変有意義なセッションとなりました。

当日の様子