新任教員教育セミナー(2010.9.3開催)

グループ7「評価をどう行うか?」

  • 報告者:地球環境学堂 助教 北野 慎一
  • 事例紹介:高等教育研究開発推進センター 教授 大塚 雄作
  • ファシリテータ:高等教育研究開発推進センター 特定准教授 酒井 博之

我々のグループでは、成績の評価をどのように行うかについてディスカッションしました。最初に参加者の経験談として、評価について思うところを出し合いました。

例えば、論述形式の試験を客観的にどのように評価したらよいかということや、今、学際的な分野が増えていますが、学生のバックボーンが多様化している中で授業を行った場合、どのように評価していけばよいか、などの意見が出ました。その後、大塚先生から、評価を考える上で現在どのようなことがいわれているかについて事例紹介がありました。現在、大学では「成績評価の厳格化」が問われているそうです。その際、問題になるのが評価の「信頼性」と「妥当性」だそうです。「信頼性」は、誰が何回評価しても同じように結果が安定的に得られるということ、「妥当性」は、たとえば評価者が評価しようとしている部分を的確にとらえたような試験であるか、といったことで、これらが成績評価の適切性を考える上で重要な要素になってくると紹介されました。配布資料の後ろ一枚めくった左上にマトリックスがありますが、論述試験の評価を行う場合、さまざまな要素に分けてそれぞれの要素を評定して総合的に評価するようなことが有効であるとの紹介がありました。たとえば、語彙の意味や全体の構成など複数の項目に分けてそれぞれについて評価し、最終的にそれらの評定を合成して得点を出すことによって、比較的安定した結果が得られるということです。

学生の多様化にどのように対応するのかということに関しては、様々なタイプの学生がいる場合に評価するのは難しいのですが、グループワークなどを取り入れると、学生同士が互いに補い合って、教員の目が届かない部分の効果も出ることがあるということを紹介していただきました。

最後に感想と結論です。「評価にはこれといった方法がなく難しい」というのが感想です。大塚先生から、評価の三つの機能について紹介していただきました。一つは「管理機能」で、学生修学の効果を保証するような機能です。次の「学習機能」は、学習者の今後のモチベーションにつなげるような機能です。最後は、教育者が次にどういうことを教えらたらよいかについて考えるための機能です。これらのことを授業の評価を行う前に、教員側で検討し、バランスを取っていくことが大事かと考えました。

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セミナーの映像は、京都大学OCWでご覧頂けます。
下記URLより、どうぞご覧ください。

https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/center-for-the-promotion-of-excellence-in-higher-jp/01

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