新任教員教育セミナー(2010.9.3開催)

グループ4「学生の学力の低下・多様化にどう対応するか?」

  • 報告者:情報学研究科 講師 大久保 潤
  • 事例紹介:農学研究科 教授 宮川 恒
  • ファシリテータ:高等教育研究開発推進センター 特定助教 半澤 礼之

情報学研究科の大久保と申します。私たちのグループでは学生の学力の低下・多様化にどう対応するのかということに関して議論をおこないました。まず宮川先生からの事例紹介がありました。たとえば、農学部だと生物・化学・物理といった科目はどれも重要なのですが今は二科目しか入試では課せられていないこと、そうすると重要な科目を勉強していない学生が出てしまうこと、そしてそれらへの対応といったことが紹介されました。また、それ以外にも実例として、農学部では3回生から学生実験があるということなんですけれども、そこからは横のつながりが出てくるので雰囲気がよくなってくる。しかし1回生・2回生はあまり横のつながりということがなく、3回生と比べると雰囲気があまりよくないという話がありました。また、近年の学生の気質として、基本的なメモをとるというようなことができない、マニュアルが必要になってくる、やらされることに慣れているという話もありました。

これまでのご発表であったことと重なる点も多いのですけれども、私たちの所で話し合った結果としては、まず現状把握が一番重要であり、教員の意識を変えるということが重要であるということがあげられます。どのような意識かといいますと、自分たちが学生であった頃とはやはり違うということが現実であるわけです。従って、自分たちが学生だった頃を基本として考えるという意識ではやはり難しいわけで、現状を踏まえた上で、その現状にどう対処していくかを考えるという意識改革が重要であるということが指摘されました。

また、分野においてもいろいろと異なります。人文系・理系、または学部・大学院、様々なところにおいて状況は異なると思うのですけれども、たとえば、学部で主に理系を対象とした対策として、まず、学生の気質の変化を意識して、実験を増やす、小テストを増やすなどということがあげられると思います。小テストを繰り返して学生に達成感を与えたり、先ほど、どのようにレポートをまとめるかという話もありましたけれども、まとめ方の指導などを通して、学ぶためのやり方や手法を教えるということが重要だといえます。そのような対策にはある程度の講義時間をとる必要がありますので、当然講義の中で教えられる知識量が減少してしまいます。そこで重要な点は、自学自習できるような情報を提供する、自学自習できるように促すということであるといえます。そのために講義では教科書をきちんと指定して、後で自分で学習を行えるようにするといった方法も必要であるといった話になりました。

自学自習とも関係するのですけれども、学生のグループを作るということが非常に重要であろうという話になりました。農学部の事例では、3回生以降横のつながりが強くなりますと、お互いにディスカッションして様々な勉強が進むということがありまして、1回生・2回生のうちから、できればそういうシステムを作りたいという話がありました。文学部の方からのお話にもありましたけれども、学生同士の横のつながりだけではなくて、先輩や教員を含めて、縦のつながりも含めて、チューター制度を作るとか、そういった制度的な面も考えていくことが必要になると思われます。グループを作ることによって、学力の低下ということに対応できるのはないだろうかという話もありました。

最後に、多様化とは,できない学生に対する対応だけではないわけで、できる学生をどうするのかという話もあります。これに関しては最後少し議論しただけなんですけれども、やはりこれも、できる学生については気軽に研究室に出入りして教員や院生といった上の人間とつながりをもち情報を得ることができるようにするといった、仕組み的な面でも対応できるのではないかという話になりました。以上です。

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セミナーの映像は、京都大学OCWでご覧頂けます。
下記URLより、どうぞご覧ください。

https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/center-for-the-promotion-of-excellence-in-higher-jp/01

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