新任教員教育セミナー(2010.9.3開催)

グループ3「学生を授業にどう巻きこむか?」

  • 報告者:経営管理研究部 教授 澤井 克紀
  • 事例紹介:医学研究科 講師 森本 剛
  • ファシリテータ:高等教育研究開発推進センター 特定准教授 及川 恵

経営管理研究部の澤井と申します。グループ1の方に、ああいう振られ方をされると、ちょっとお話づらいんですけれども、私たちのグループは、学生を授業にどう巻きこむかということでディスカッションをいたしました。

森本先生から、まず、たとえば70人くらいの授業で、真面目に聞いている学生がいて、何となく参加している学生がいて、後ろでメールを打っているような学生がいて、そんな中で、どうやって学生を巻きこみますかということについて、いろんなやり方があるだろうと。たとえば質問をする、あるいは小規模なグループディスカッションをする、あるいは片っぱしから学生に意見を求めるという、いろんなやり方がある。さぁ、どうしますかということから議論が始まりました。

その森本先生の質問の後に若干、沈黙の時間がありまして、京大の先生方はそういった状況の中でどうやって学生を巻きこんでどうやって授業ができるんでしょうかと。それがグループの答えの一つではないかと私は思っているんですけれども、そういう議論から始めたのですが、具体的なケースとして、たとえば小規模の授業であれば、何となくコミュニケーションが成り立つであろう、あるいはコミュニケーションせざるを得ないような状況にあるだろうけれども、大講義ならどうなんだろうと。その中で、巻きこむケースは、先ほど言ったようにテクニックはいろいろあるんでしょうけれども、大講義の場合、どういう学生を対象に議論を進めていくかというのも問題であろうと。平均的なところに合わせるのか、あるいはみんなが理解できるようなところに合わせるのかと、これも重要なポイントであろうという話もありました。

それから最近の授業では、パワーポイントを使って進めるケースが多いのですが、あまりにも教える量が多すぎて、学生が消化不良を起こさないかと。あるいは、ディスカッションをしようにも、パワーポイントの資料ですと、授業の流れ、議論の流れがつかみにくいのではないかということについては、やはり板書をうまく工夫する、活用することで補う必要もあるのではないかと。パワーポイントのようなものだけに頼っていても、議論はしづらいのではないかという話もございました。

それから、どういう議論を対象にするのかということなのですが、森本先生のケースでは、基本的な知識は事前に勉強してこいと。そしてディスカッションではいろんな意見を聞いて考えることを重点的にされるんだということですけれども、そうは言っても、身近なケースから議論を始めて、それが学問的にあるいは論文のレベルでどのように活用されるのかということを導くような、そういうストーリーも必要ではないか、それが学生にとっては魅力的なものになるのではないか、という話もございました。

つまるところ、学生を巻きこむというよりは、学生側に飛び込むといったほうが議論は成り立つのであろうということ、それから、学生が参加したいような授業を工夫しなければいけないのであって、そのためには、巻きこむテクニックというよりも、授業の事前の準備ですとか、テーマの設定とか、そういう所にそれなりの時間を割いていかないとなかなかそういうことにはならないのではないかということをまとめとしてお答えいたします。

***********************************************************************

セミナーの映像は、京都大学OCWでご覧頂けます。
下記URLより、どうぞご覧ください。

https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/center-for-the-promotion-of-excellence-in-higher-jp/01

***********************************************************************